サトー・タローの育児日誌

アニメ・マンガ好きなアラフォー後半のおっさんの育児日誌(ほとんど専業主婦の奥さんにまかせきり)

8ヶ月:はじめての親離れ

週末は近所のリトミック教室に通っている。

 

音楽に合わせて、親が赤ちゃんの体を触ったり、親が手を動かしたりするのだが、正直、親の自己満足だと思っている。

 

ただ、同じくらいの赤ちゃんが集まる機会はあまりないので、こういうのもあっていいかとも思う。

 

この前、先生が絵本を読んでいる時、イチローがハイハイで、ふらふら、ヨタヨタしながら、でもまっすぐに、先生に向かって歩き始めた。

 

今までせいぜい私の周りでゴロゴロしてるだけで離れたりすることはなかった。

 

それなのに、いつの間にかハイハイが出来るようになり、急に動きが活発になった。

 

一度、こっちを振り返った後、また、歩き出して、先生の真ん前に陣取って先生の顔を見上げている。

 

私は周りにはお友だちがたくさんいたので手を出したりしないか心配でハラハラ、ドキドキだった。

 

そしたら案の定、お友だちの顔に手を出しちゃったから強制回収を実行。

 

これからもママとパパが見守っているから、どんどん歩き回っていって欲しい。

 

 

8ヶ月:赤ちゃんの正座がかわいい

最近、ハイハイやお座りから膝立ち、つかまり立ちをするようになった。

 

だいぶ前から立てるようにならないかなぁと両手で支えて練習してたけど全然立つ気配がなかったのに、気がつけばいつの間にかつかまり立ちをしていた。

 

そういういろんな行動をしてる中で、たまに正座をしている時がある。

 

両足を揃えて短い足を器用に折りたたんでコンパクトにまとまっている。

 

これがとってもかわいい。

 

膝立ちの前とか後とかで何かに気を取られてそのまま座ると正座になって、そのままの姿勢のまま周りをキョロキョロしてる。

 

これはぜひともビデオに残さねば!

7ヶ月:クリスマスツリー

11月末の週末、クリスマスツリーの飾り付けをした。アマゾンで買った安物だが、高さが150センチもあってかなり大きい。枝がハリガネになっていて、いちいち広げないとならず面倒だが、ちゃんと広げてオーナメントを飾り付けて電球をつけると遠目からはそれっぽいいかにもなクリスマスツリーになった。去年、結婚して初めてのクリスマスの時に買ったものだ。

 

駅前の個人経営の小さなケーキ屋さんで小さいけど美味しそうなケーキを買ってきてロウソクを立てて火をつけた。

 

イチローはトナカイのコスプレ、奥さんと自分はサンタ帽子。クリスマスツリーの前で家族三人で記念写真を撮った。

 

自分の子供の頃、家にツリーがなかった。お菓子のおまけで付いてきた小さな紙製のツリーがあったような気がするが、本当のツリーが欲しかった。

 

イチローにはクリスマスツリーの思い出を残してあげたいと思った。赤ちゃんだから覚えていないだろうけど、大きくなって写真を見たら分かってくれるだろう。

 

そういえば、自分の子供の頃の写真が家にない。もう10年以上会っていない父親のところにあるはずだが、頼んだら送ってくるれだろうか。

8ヶ月:世界を敵に回しても

ど根性カエルの娘の漫画が話題になっていたので読んでいたら、14話の母娘の会話で昔のことを思い出した。

 

母「なぜ子供を産んでくれないの!」
娘「母と娘は別人格。母に育てられた自分は自分の娘にも母と同じことをしそうで怖い。産めない。」

 

これと似たようなことをずっと長い間考えて自問自答してきた。私の父はお酒を飲むと暴力を振るう人だった。母と私と弟はただ耐えるしかなかった。だから母は私が小学生の時に離婚した。そして私たちは母子家庭になった。そういう子供時代を過ごした自分がもし結婚したなら、父と同じように妻や子に暴力を振るうかもしれない。私にとって父とはそういうイメージしかない。家族団欒はフィクションの世界でしか知らない。映画「誰も知らない」の冒頭の母子のシーンの方がよっぽどリアリティがある。父親が何をするべきか、どういう態度でいるべきか、分からない。

 

そんな人間が結婚して子供を作ってもいいんだろうか。物心ついた頃からそう何度も何度も繰り返し自問した。結論は毎回同じで、非モテで彼女がいない歴=年令の自分には関係がないと考えた。

 

でも40才になり初老を迎え、本当にこのまま人生を終えていいのかと考えた。今ならまだ間に合うかもしれない、ラストチャンスだと。じゃあ、夫に、父親になれるのか。分からない。

夫婦が破たんする主な理由として、飲む打つ買う、と暴力がある。父は酒と暴力だった。そういえばパチンコもやっていた。

 

40才になった自分はどれも当てはまらなかった。パチンコや麻雀、競馬もやったことがあって何万円か勝ったこともあるが性に合わなかった。お金が必要なら働いた方がいい。要はギャンブルは嫌いだった。美味しいお酒は好きだが飲み過ぎるのは嫌いだった。暴力はもっと嫌いだ。

 

自分は結婚したことも子供を育てたこともなかったので、その時になってみないとわからないこともある。しかし、自分の場合はかなり可能性は低いんじゃないだろうか、と考えた。

でも、自分の自己満足というかワガママで彼女を作って結婚して子供を作って、やっぱりカエルの子はカエルと酒に溺れて暴力を振るうことになってもいいんだろうか。良い訳がないけど、そういう可能性がゼロでないのに彼女を作ってもいいんだろうか。結婚しても良いんだろうか。子供を作ってもいいんだろうか。

 

ところで映画や漫画では世界を滅ぼそうとする悪人と、その悪人に立ち向かうヒーローの話がたくさんある。そういう話が好きだった。で、ふと本当に世界を滅ぼすにはどうしたらいいかと考えたことがある。第三次世界大戦を起こす、細菌兵器をばらまく、宇宙人が侵略する。どれも世界が滅ぶ訳ではなく酷い世界になるだけだ。結論はいたって単純で自分が死ねばいい。それで自分にとっての世界は終わる。他人がどう思おう、他人にどう思われようと、世界中が敵になったとしても世界が終わるなら関係がない。他人が見ている世界と自分が見ている世界は違うが、自分が死ねば自分にとっての世界はなくなる。それで十分だ。

 

いつか自分は死ぬんだから、それまでは自分の好きに生きよう。そう決めた。誰になんと言われようと好きに生きよう。そう思った。もし、何年か経って、やっぱり自分が家族を苦しめるだけの存在であることが分かったら、できるだけまわりに迷惑のかからないようにして自分の世界を終わらせよう。そう決めて、彼女いない歴=年令の非モテな40才は婚活を開始した。

 

後追い

この前、奥さんがお風呂に入っている時に流しでご飯を作っていたらイチローがいきなり泣き出した。抱っこすれば泣き止むのだが、そのままではご飯が作れないのでリビングに下ろすとまた火がついたみたいに泣き出す。万が一、包丁を落としたりお湯をこぼしたりしたらと考えると恐ろしいので、流しには置いとけない。仕方ないのでそのままリビングで泣かせておいてご飯を作ってしまうことにした。

 

後から奥さんに聞いたら、流しのそばにベビーチェアを置いてそこで待たせてるそうだ。なるほど今度からそうしよう。

 

どうも後追いというのが始まったらしい。普段、自分が家にいる時はイチローのそばには奥さんがいるしお風呂やトイレに行く時は自分がいる。でも平日の日中は奥さん一人なので、ちょっといなくなるだけで泣き出すらしい。

 

支援センターにいる時も以前は他の子供やお母さん方がいれば離れていても泣かなかったのに今はトイレに行くだけで泣くらしい。イチローは普段ほとんど泣いたりせず、誰に対してもニコニコしている非常に愛想の良い赤ちゃんだったので支援センターのお母さん方も驚いていたそうだ。

 

後追いは個人差があるそうでお父さんでもダメな場合があるらしいがイチローの場合は大丈夫そうだ。仕事から帰ってきて起きている時はいつも笑顔で出迎えてくれる。

老いと成長

ドラクエなんかのRPGでは最初は弱いがすぐにレベルが上って強くなっていくのが楽しい。でもレベルが高くなると徐々にレベルが上がりにくくなるので色々工夫をする。例えばメタルスライムはぐれメタルを狙ったり効率化を考えたり。

 

ところが現実(リアル)という強制参加型ゲームはたった一度の失敗で大きなハンデを抱えたり再開不可能の真のゲームオーバーを迎えたりする。なおかつ、ある年齢を迎えると文字通りあらゆるパラメータが下がっていく。続ければ続けるほど弱くなっていくようなクソゲーなんてやる意味あるんだろうか。

 

自分の場合、そういう衰えを実感したのは30半ばの頃だった。ある日の仕事帰り、これからの人生下がる一方なんだなと「理解」した。それまでも色んなところに白髪が生えてきたり(頭髪、胸毛、あそこ。40過ぎたら鼻毛とかうんざり)、生え際が後退したり、筋肉痛が翌日でなく2日後だったりと老化は感じていたが、仕事とか私生活とかが10年、20年経っても今の延長線上にしかないことを4kの木造賃貸アパートでチンしたコンビニ弁当(から揚げ弁当)を食べながら唐突に理解した。

 

それから色々あって今は2LDKの賃貸マンションに家族3人で住んでいるが肉体的な衰えは益々進行している。会社の健康診断は経過観察ばかりだ。メタボではないが間違いなくその予備軍だ。運動しようにも膝が痛くて走れない。悪化して歩けなくなったらどうしよう。たまに腰とか肩が痛いことがある。ぎっくり腰も怖いので重い物を持つのは不安だ。不安だらけだ。こんな不安な人生を生きる意味をよく考える。

 

一方、イチローは成長著しい。序盤のRPGの比ですらない。つい数ヶ月前まで、自分で首を支えることすらできず、まるで首の折れた人形みたいだったのに、今はたどたどしいながら自分で部屋の中を動き回っている。いずれ立ち上がるんだろうし、二本足で歩き回るんだろう。身長は約1.5倍、体重は3倍近くに成長している。今はまだ自分のことすら何もできないが、10年もすれば一通りのことはできるだろし、20年もすれば文字通り成人する。

 

対して、衰える一方の自分は20年もすればヨボヨボのジジイになって自分のことすらできなくなっているかもしれない。それでも独居老人になって腐乱死体で発見される人生と比べれば、そっちの方が何倍もマシだろう。そう考えて納得するしかない。

オンリーワン

最近、家に帰るとイチローがニコニコしながらずり這いとハイハイの混ざったすごく不器用な歩き方で歩いてくる。
そのまま抱っこして高い高いをするとケタケタ笑う。

 

着替えるために隣の部屋に行ったら「ふぇ〜〜ん」となんとも情けない鳴き声が聞こえてきた。慌ててイチローを連れてきて着替える。

 

これまでの人生でこれほどストレートに誰かに必要とされたことなどなかった。仕事でも代わりはいくらでもいるし、プライベートでもここまで「今」必要みたいなのはなかった。どちらかと言えば、自分みたいに役立たずで無口で友達もいない人間は存在しない方が世の中のためになると思っていた。

 

イチローが大きくなったらまた変わるんだろうけど、今は今で楽しいし嬉しいから、まぁいいかなぁ。